木、植物の知識を深めるサイト

3月ジンチョウゲ

3月ジンチョウゲ

ジンチョウゲはジンチョウゲ科の常緑低木で、中国南部からヒマラヤが原産です。日本には室町時代に渡来しました。特徴はなんと言っても、上品な甘い香りを放つ花です。早春に香りよい花をつけるため、広く親しまれ、庭木や鉢植えなどに利用されています。耐寒性はさほどありませんが、東北南部までなら露地で育てられます。

樹高は1mほどに収まる低木で、株元から細かく枝分かれして葉が密に茂り自然に半球形にまとまります。葉は先端の尖った長楕円形で、表面には光沢があります。
主な開花期は3月から4月で、枝の先端に小さな花を球状にまとめて咲かせます。沈丁花は花びらを持たない花で、十字型で花びらに見えるものは肉厚のがくです。がくは内側が白、外側は紅紫色になります。

ジンチョウゲは雌雄異株なので、雌株と雄株がありますが、日本に植えられているものは、ほとんどが雄株です。そのため実がならず、さし木で増やします。

ジンチョウゲは移植が難しい木です。ジンチョウゲを掘れば分かりますが、根は鳥の足のような形で、細い根がほとんど生えていません。
脆弱な根は移植に向きませんので、日ごろからまめに剪定して、小さく抑える必要があります。

剪定は花の終わった4月上旬がベストシーズンです。
花が終わった直後であれば、どこで切っても芽が出てくるので、素人向きの庭木です。
刈り込みバサミで丸く刈るのが一般的です。
あまり大きくしたくない場合、葉がなくなるような「棒状」に刈り込んでも大丈夫ですが、そこまでやる勇気がなければ、表面全体に葉がギリギリ残る程度まで刈り込みましょう。

また、ジンチョウゲは寿命が短く、30年ほどで突然枯れるようです。そこで枯れる前に挿木をして増やしておく必要があります。

挿し木の時期は開花後の4月と、梅雨明けの7月が良いとされます。新しい枝を10センチくらいのところで、葉が数枚付いた状態で切り取ります。
切り取ったところをナイフで斜めに切り、吸水しやすくします。切り口に発根剤をつけ、赤玉土に挿し、たっぷりと水を与えます。乾燥させないようにこまめに水を与えます。

漢字では「沈丁花」と書き、花の香りが沈香、花姿が丁字に似ているところに由来するとされます。
別名は、この香りが千里のかなたまで届くという意味から「センリコウ(千里香)、またはセンリバナ(千里花)」、ほかに「チョウジグサ(丁子草)」、「リンチョウカ(輪丁花)」とも呼ばれます。原産地の中国では吉祥の字である瑞の字を当て「瑞香(ズイコウ)」と呼び、縁起のよい花とされています。

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional