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9月ミズメ

9月 ミズメ

カバノキ科。落葉高木。岩手県以南の本州、四国、九州の暖温帯に分布する。高さ20-25m、直径60-70cmくらいになる。直径100cmに及ぶものもある。
他のカンバ類がほとんど北方系であるのに対し、ミズメは南方系で関西以西にも多くみられる。東北地方の日本海側には極めて少なく、房総半島や伊豆半島にもみられない。

葉は長枝に互生し、短枝に2枚ずつ束生する。葉は卵形で、基部は円形から浅い心形、葉の長さ5~10センチ、測脈10~14対で長い毛が生える。縁には顕著な重鋸歯がある。

5月頃新葉の展開と同時に開花し、尾状花序で、雄花序は前年の枝の先端につき、下垂する。雄花は雌花よりも早く開花し、自家受粉をさけている。

樹皮の雰囲気や美しさがサクラ類と似ており、葉っぱもサクラのようで、細枝も赤銅色で光沢があり、サクラにそっくりです。
このため、ミズメザクラとも呼ばれるが、実は、木材の性質、雰囲気、色具合も大変良く似ている。
このため、ミズメを含めたカバノキ科の木材を「サクラ材」と総称して表現することもある。バラ科のサクラと紛らわしいので、最近では「カバザクラ」と表記するのも増えて来た。
一方で、バラ科のヤマザクラなどの樹皮を細工ものにしたものも「樺細工」と呼ばれていて、こちらは桜の樹皮を使っているのに「樺細工」という表現がされ、ややこしい。

心材は紅褐色、辺材は黄白色で、両材の区別は大体明瞭。肌目は緻密で美しい。弾力性に富み、比較的強靭な材。加工性・乾燥は中位、耐朽・保存性は心材部においてやや良好である。 最も一般的な用途は家具に使われ、とくに洋家具あるいは洋風の内装用の材料として貴重なものである。

古くは弓にも使われた。万葉集などにも出てくる「梓弓」のアズサはミズメの古名である。
梓弓で知られるように、弓材として使われ、現存する正倉院宝物の梓弓の木材を削って調査した結果、アズサであることが確かめられている。 万葉集に33首も詠まれているが、樹木のアズサではなく、梓弓として読んだものである。弓は弦を張って引いて使うので、引く、射る、寄るなどの枕詞として用いられている。梓弓は実用の弓ではなく、儀礼用の弓である。大相撲の弓取り式にその伝統が残る。

ミズメの和名は樹皮を傷つけるとサロメチールによく似た芳香のある透明な樹液が出ることからであり、香気成分はサルチル酸メチルエステルである。
ミズメは、ヨグソミネバリとも呼ばれる。ミネバリはヤシャブシと同義で、臭いヤシャブシの意味である。
サルメチールになれたためかそれほどいやな臭いとは思われないが、昔の人にとってはいやな臭いだったのかもしれない。

別名は、梓峰榛(アズザミネバリ)、水目(ミズメ)、水芽(ミズメ)、 夜糞峰榛(ヨグソミネバリ)、アズサカンバ、キササゲ、ミズメザクラなどと呼ばれる。

梓は天皇陛下のお印となっている。
お印とは天皇や皇族方が食器や調度品などの持ち物に名前代わりに付ける印章のことで、上皇さまの お印は「榮」の文字だが、上皇后さまは「シラカバ」、皇后陛下は「ハマナス」になっている。最近は植物が多く用いられている。

また、中国では古くから印刷の版木に梓を利用していた。それで梓には「版木に彫って印刷する」という意味があり、出版するという意味の上梓(じょうし)という言葉がここからでた。
しかし、漢名の梓は中国ではトウキササゲという木をさしていて、実際に版木にしたのはトウキササゲという別の木です。

ミズメのデーターを探していたらガールズ イラスト 樹木・木材図鑑というサイトを見つけた。
gimoku.com/index.html
木に興味を持っていただく入り口としては面白いなと思う。
水目 梓  とってもかわいく、りりしい女の子
みずめ あずさの名はできすぎ。
gimoku.com/woods/mizume/mizume.html

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