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5月ツツジ

5月ツツジ

ツツジの仲間は野生種で約100属1,400種が知られていて、良く知られるものはツツジ、サツキ、シャクナゲ等が挙げられる。
ツツジの仲間は酸性土壌で日当りの良い場所を好みます。日本では、このような酸性土壌の山野が多いため、実に多く約40種のツツジが生息しています。
ツツジ亜属ヤマツツジ節の種は品種改良が進められ、庭木や公園樹、鉢植えと最も多く利用されています。

ツツジはかなり古くから多くの人々の興味を引いていたらしく、ツツジの名は、『出雲国風土記(いずものくにふどき)』(733年)には、大原郡の山野に生える植物として紹介されています。
また奈良時代の万葉集では9首も歌に詠まれています。

日本では長い栽培の歴史を持ち、早くから育種が進みました。
元禄5年(1692年)に伊藤伊兵衛により刊行された『錦繍枕』は、世界最古のツツジ・サツキ専門書とされていて、ツツジの品種が173品種、サツキの品種が162品種も解説されています。

当時、春に咲くものを「ツツジ」、初夏に咲くものを「サツキ」と呼んで区別をしていました。
ツツジとサツキを同じ書物で図説したこと自体が、ツツジ(漢字では躑躅と書く)とサツキ(同じく皐月)は区別するのが難しかったと思えます。

ツツジの語源
語源は、「ツヅキサキギ」で続き咲き木の意の説や、「ツヅリシゲル」で綴り茂る意などの説があります。
また、つつじのラッパ形をした花を古代人が「ツツシベ」と呼んだといいます。
これは、花の筒形の中から長く突き出たオシベの意で形容していて、これを語源としてツツジの名に音韻転訛したとする説です。
漢字名の「躑躅」は、漢語で「テキチョク」と読みます。
これは、足踏みし、あがくが原義であり、行っては止まる、躊躇(ちゅうちょ)するという意味にとらえられます。
美しく咲く花が人の足を引き止めると、この漢字がツツジの和名として使われました。
ただし、本来は「羊躑躅」であり、羊がツツジの葉を食べて躊躇して死ぬ事からといいます。現代中国語音では、「ヤンチーチュー」。
この植物名は、シャクナゲの一種の黄色い「シナレンゲツツジ」(和名)です。
毒性があり、羊が誤って葉を食べると、あがいて死ぬ。あるいは、羊は毒であると知っているので、シナレンゲツツジを見ると、足踏みして進まなくなるとも言われます。
この躑躅の語を語源として、和名の「ツツジ」に当てたわけです。

身近なツツジの種類と違い

クルメツツジ
開花時期は4月上旬~5月上旬で、良く知られているツツジの中では開花時期が早い。
霧島ツツジとサタツツジ(薩摩半島大隅半島の品種)から品種改良されたとされる九州の久留米あたりが発祥のツツジ。一般的にはキリシマツツジと混同して使用されており、区別しにくい。ツツジとしては小型で、小さく育てられる。花も小さいが赤い花を葉っぱが見えないくらいにビッシリとつけるので美しく人気がある。品種が非常に沢山あり、ツツジ栽培で有名な伊藤伊兵衛が最も評価した品種。

ヒラドツツジ   
道路沿いや家庭の庭等で栽培されている最も一般的なツツジで、単にツツジと言えばこの花をさすことが多い。ツツジの中では花が最も大きく、ピンク、白、赤紫等の色が一般的です。開花時期は4月中旬~5月中旬。枝は脆く、折り曲げると簡単に折れるので、盆栽には適さない。ケラマツツジを母体にモチツツジ、キシツツジ、リュウキュウツツジが自然交配して出来たもの。

オオムラサキツツジ
ヒラドツツジの一種ですが、花が大きく人気があるので、「ツツジ」というとこの「オオムラサキツツジ」と考えていいくらいに一般的なツツジ。単に大紫(オオムラサキ)と呼ぶことも。花の時期は通常のヒラドツツジよりやや早く、4月中旬~5月上旬。
排気ガスにも強く、生育が良いので公園や道路の側帯に植えられています。
画像の説明
サツキツツジ(通常、単にサツキ)
これも道路沿いや家庭の庭等で栽培されている最も一般的なツツジです。他のツツジが4月中旬から5月中旬に開花するのに対して5月中旬から6月中旬と一ヶ月遅れで開花します。見た目にはクルメツツジと良く似ていますので、開花時期で判断します。ヒラドツツジとは開花時期が異なり、花も小さいので明確に区別ができます。
赤紫の花が最もポピュラですが、園芸・盆栽用として品種改良され、色々な色、形の花があります。

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